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57th JOTA & 18th JOTI logo

第57回 JOTA & 第18回 JOTI

世界スカウト機構主催 第57回ジャンボリー・オン・ジ・エア(JOTA)/第18回ジャンボリー・オン・ジ・インターネット(JOTI)

2014年10月18日(土)00:00〜19日(日)24:00 各国の標準時間で48時間開催

JOTAは,1957年イギリスで行われた第9回世界ジャンボリー(スカウティング50周年記念ジュビリージャンボリー)で始められたアマチュア無線を使用してスカウトが世界中に友だちをつくるイベントです.

JOTIは,インターネットを使用してスカウトが世界中に友だちをつくるイベントです.1996年に試験的に開催され,翌1997年,世界スカウト委員会により,世界スカウト機構の公式国際行事として,毎年JOTAと同時開催することが決定されました.

ボーイスカウト日本連盟による詳細説明
http://www.scout.or.jp/event/jota_joti/2014.html

「世界のすべての人の友」

スカウトは自分の周りにいる人だけの友だちではなく「世界のすべての人の友」だということを忘れてはいけない.友だち同士は戦いはしない.私たちが海を越えた隣国の人たちと友だちになり,相手も私たちに友情をもっていれば,戦争をする必要はないのだ.これこそ,将来の戦争を防ぎ,平和を永続させるための何よりの手段である.

戦争の原因の一つは,各国の人が個人的にほとんど知り合っていないところへ,政府が戦争をするのが正しいことだと言って聞かせることにある.そうして戦って後になってからみんな後悔する.

もし,平和な時に仲のよい友だちになっていたら,互いに理解し合っていたら,決してけんかになるようなことはないだろう.

現在では,自動車や航空機のおかげで,旅行がずっと楽にできるようになり,ラジオによって距離もずっと近くなり,いろいろの国の人がお互いに親密に知りあえる機会が多くなった.

そのうえ,ボーイスカウトとガール・ガイド(ガール・スカウト)の運動も各国に広まっている.スカウトとして私たちは世界中のいろいろな国を訪れ,どの国でも同じちかいとおきてによって行動し,同じスカウト活動をしている兄弟スカウトに会うことができる.すでに各国の数千のスカウトが,定期的に相互に訪問しあっている.これによって他国の様子を見るという楽しみも味わうのだが,互いに単なる外国人としてではなく,友だちとして知り合うということがもっとも有意義なことなのだ.

出典:ロード・ベーデン−パウエル・オブ・ギルウエル. “第IX章 公民としての私達の義務”. スカウティング・フォア・ボーイズ. 財団法人ボーイスカウト日本連盟訳. 第3版, 財団法人ボーイスカウト日本連盟, 1982, p.404-405.

JOTA(Jamboree On The Air)

(2012年)10月20日・21日の2日間,ボーイスカウトのアマチュア無線行事,JOTA(Jamboree On The Air)に参加しました.

“(JOTAとは)世界スカウト機構が主催する公式国際行事で,スカウトがアマチュア無線行事に参加し,電波を通じて国内各地や外国のスカウト仲間と交信し,お互いを理解し,知識と友情を深めることを目的とします.1957年イギリスで行われた第9回世界ジャンボリー(スカウティング50周年記念ジュビリージャンボリー)で初めてアマチュア無線のプログラムが提供されたのが,始まりです.毎年10月の第3土曜日〜日曜日の48時間運用されます.(ボーイスカウト日本連盟ウェブサイトより引用)”

JOTAは日本ではあまりよく知られていない行事なのですが,海外ではアマチュア無線とスカウト運動の社会性を考え,アマチュア無線家から積極的にバックアップされているように私は感じています.

例えばアメリカでは,ARRLはアマチュア無線家の後進の育成やアマチュア無線とスカウト運動の社会性を考え,年間を通じてスカウトのアマチュア無線活動を全面的にバックアップしています.ARRLのウェブサイトにはJOTAを初めとしたRADIO SCOUTINGに関する情報を提供するカテゴリーが常設されていますし,QST誌やメールニュースなどでのPRも積極的です.

http://www.arrl.org/jamboree-on-the-air-jota

企業の取り組みもあります.ICOMは,ボーイスカウト・アメリカ連盟にField DayやJOTAなどの行事で利用出来る貸し出し用の機材セットを提供しています.

http://www.k2bsa.net/icom-station-loans/

そういう活動の甲斐もあって,今年の全米のJOTA参加局は昨年から倍増し,実に348局.参加した各局でオペレートしたり見学をする子供たちは実に3万2千人という大規模なものになったそうです.

http://www.k2bsa.net/2012/10/jota-station-list/

アメリカ以外の国でもアマチュア無線連盟のブランチがバックアップしたり,DXerがシャックを開放して参加している例が沢山ありました.フィリピンではアマチュア無線連盟の元会長であるDU6BG BobbyさんがDX6PARのOPとして精力的にQRVされていました.エジプトからはS55J,ブルネイからはV84CBSの特別コールでの運用があり,QSOされた方も多かったのではないでしょうか.

私がJOTAに参加して感激するのは,子供たちが喜ぶ事はもちろんですが,それにも増して普段の交信を通じて知りあった人達との再会です.いろいろな国で,アマチュア無線の仲間が子供たちのために頑張っているんだと感動します.

そして同時に思い起こすのが,スカウト運動の創始者,ロバート・ベーデン=パウエル卿が言った,「世界中に友達がいたら戦争は起らない.」という言葉と,9N1MM マーシャル・モラン神父のシャックのドアに書かれていた,「Amateur Radio: One World, One Language, Make Today Count Peace to All Who Enter Here.」という願いです.

来年のJOTAではぜひスカウト達と交信をお願いいたします.また,地域のスカウト関係者から,ご指導・ご協力の依頼がありましたら,どうぞ宜しくお願いいたします.

日本ボーイスカウト兵庫連盟但馬地区村岡第1団OB
JN3VQM 中村 亘

出典:中村亘. ハムの目: JOTA(Jamboree On The Air). 電子版ファイブナイン. 2012, 2(5), p.5-5. http://www.fivenine.com/, (参照 2014-8-7).