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文楽の出遣い

文楽の出遣いってやっぱりいらんと思う.人形遣いは黒衣で姿を消した方がいい.為人を知っている方は文楽界きっての人格者だと絶賛する桐竹勘十郎だって,苦虫潰したような面持ちで舞台に出てきて悪役にしか見えない.桐竹勘十郎は遠山の金さんだったら絶対に悪役や.

桐竹勘十郎に限らず,出遣いは人形を観る邪魔になるから絶対に昔のように無しに戻した方がいいと思う.人形が主.出遣いは文楽の芸としての位を下げていると私は思う.

追記

貝田尚重 . “文楽の舞台は「顔」だらけ: 「伝統維持」VS「後継確保」の葛藤”. Japan Business Press. 2009-04-06. http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/820, (参照 2016-02-09).

この記事に書かれているように,顔を出さないと後継者の成り手がないなんていうのが本当に理由なら,そんな芸は滅びる宿命なのだと思います.舞台はやり直しが出来ないことにすべてを賭ける人生なので,そもそも覚悟がなかったら出来ないのですからそんな甘い話ではないと思います.そしてそういう気をつかわないと後継者のなり手がいないというのは,やはり名人と言われる人達が自分の子どもを後継者として育てるということが続けてこられなかったという責任があると思います.

しかしながら,ハード・コアなことを言っていても仕方がないので,中を取って,舞台の最後に人形遣いが全員顔を出してカーテン・コールをしたらいいと思います.そうすれば出遣いが止められて,人形遣いの顔もお客さんに見ていただくことが出来ます.