伊藤君子のフォロ・ミー(Follow Me)の原曲

伊藤君子が1989年に発表したロドリーゴ(Joaquín Rodrigo Vidre)のアランフェス協奏曲に歌詞をつけて歌ったFollow Meという曲があります.

細野晴臣からもらったカセット・テープに入っていたアラビア語で歌われたアランフェスにインスピレーションを受けて作ったと発表当時から彼女は言っていました.

余談ですが,後年,Follow Meは,押井守のイノセンス(INNOCENCE)という映画の主題歌にもなりました.

数年前,ラジオ番組に出ていた伊藤君子が,自分が影響を受けたアランフェスが今ではYouTubeで簡単に聴けるということを言っていました.すぐに伊藤君子のマネージャーに誰のどの曲なのか問い合わせたけれど,はっきりと誰の演奏なのか言わない.

僕は興味があることに対してはしつこいので諦めずに探していたのですが,やっと見つけました.29年かかった.笑

原曲はレバノンの有名な詩人,ジョージー・ハランブ(Joseph Harb,جوزيف حرب)がフェルーズ(Fairouz,فيروز)のために書いたベイルート(Li Beirut,لبيروت)です.

原曲をなぜ隠すのかとずっと思っていたのですが,フェルーズが録音したのが1984年,Follow Meが発表されたのが1989年,フェルーズを日本やアメリカで知っている人は少ないけれどアラブ圏では誰もが知っている大歌手,伊藤君子のFollow Meは日米同時発売,Follow Meは日本人の歌手としては坂本九以来の全米チャート入り等など,何かレコード会社の戦略があったのかもしれません.

伊藤君子のフォロ・ミー(Follow Me)の原曲」への4件のフィードバック

  1. 上原

    デミス・ロソスの「Follow Me」は1982年の曲で、伊藤君子さんが歌う詩もデミス版のカバーをそのまま歌われていますが、影響を受けたのはフェルーズ版なんですか?

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  2. tachie

    初めまして。私もアランフェス協奏曲のアレンジした曲が好きで、ジャズからロックまでいろいろ集めています。
    伊藤君子の’Follow Me’は、中でも一番好きなのですが、アラブのFairuzより、さらに古くDemis Roussos(デミス・ルソス)が1982年にリリースした”Demis”というLPの中にある’Follow Me’と歌詞は同一だと思います。YouTubeにもあがっています。デミス・ルソスは、もともとギリシャのヴァンゲリス(南極物語とか、ブレードランナーとかで日本でも有名)なども加わったロックバンド、アフロディテス・チャイルドのメンバーで、82年のソロアルバムは日本でも発売され、クルマのCMにも使われたと記憶しています。

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  3. トラネコ

    デミス・ルソス版は、三菱ギャランΣのCM(故・高倉健さん出演)に出てましたよ。YouTubeにもあります。
    「風来坊」「男は、風です。」って、シブいんですよ~。

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  4. バードマン

    AmazonPrimeでリブート版ロボコップが公開され、劇中序盤にききなれた楽曲、伊藤君子さんの「Follow Me」のフレーズだとすぐわかり、イノセンス公開当時、イノセンス版とその原曲版もきいていたのですが、その原曲版のさらに原曲があるのかと思い検索してここにたどり着きました。とても参考になりました。
    リブート版(正直評価は芳しくない)はリリース後すぐレンタルBDでみたのですがそのときはまったく気にならなかったのになんでだろう。映像再生中に検索したので、このページを開く直前劇中でも、近年復活したバットマン俳優「マイケル・キートン」が「アランフェス協奏曲」と発言しているんですけどね。
    さらに余談ですが、「ロボコップ」といえば(むしろ80年代版が顕著ですが)その斬新なサイボーグ観、と描写は、ちょっと「イノセンス」のマンマシンインターフェースにつながるところにあり、もしかして、意識してのオマージュ…はうがちすぎ?

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