「QSLの保存性(https://weblog.benweb.net/archives/109)」というエントリーで書いた通り,私は保存性に優れたインクを使ってQSLを書きたいと思っています.
知り合いのOMは顔料インクを使った製図用の使い捨てペンを愛用されていますが,最近は製図もPCを使ったCADが主流のため,年々入手が難しくなっているみたいです.
私はセーラー万年筆(http://www.sailor.co.jp/)でインクブレンダーをやっておられる石丸 治さん(http://www.sailor.co.jp/craftsmans)にお願いして,専用の顔料インクを作っていただいています.私のように特注までしなくても,セーラー万年筆のカタログ品に「極黒(きわぐろ)」という万年筆用超微粒子顔料インク(http://www.sailor.co.jp/lineup/fountainpen-others/13-2001-220)もありますので,興味がある方はぜひお試し下さい.
私が発行したQSLで,手持ちの石丸さんに作っていただいている顔料インクが切れた時に,別のインクを使って記述したものが少数ですがあります.その時に使用したインクは,鳥取にある万年筆博士(http://www.fp-hakase.com/)の「イカ墨セピアインク(ダーク書画用)」というものです.これは本物のセピア(ラテン語でイカ墨のこと)を使った顔料インクです.趣味的にはとても好いインクですが,コストが高いのと使い勝手が悪いのでQSL発行にはもう使いません(笑)
もうお分かりだと思いますが,私はQSLへの記入は万年筆を使って手書きしています.ついでですから使用している万年筆についても書いておきます.
私がQSL用に使用している万年筆は,パイロットコーポレーション(http://www.pilot.co.jp/)の「CUSTOM 823」という万年筆です.コースニブと呼ばれる極太のペン先を,「QSLに使用している紙」と「使用するインク」と「私の書き癖」に合わせて研ぎ出して調整した物です.調整は神戸にある万年筆専門店,Pen and Message(http://www.p-n-m.net/)の吉宗史博さん(http://blog.goo.ne.jp/penandmessage/)にしていただきました.
東京近郊の方であれば品川のフルハルター(http://members.jcom.home.ne.jp/fullhalter/)に行かれれば同様の調整がしていただけます.(http://members.jcom.home.ne.jp/mori/fullhalter/pilot_823_henko2.html)
余談ですが,仙台に大橋堂という手作り万年筆の会社があります.そこで職人をされている今関喜久子さんが調整されるペン先はとんでもなく素晴らしいです.女性でしか到達できなかったであろう用の美学の結集です.日本には有名なペン先を調整する男の職人は数あれど,男では到底出来ない女性ならではの調整をされます.素晴らしいです.
追記(2013.1.31):大橋堂の今関喜久子さんの事が書かれたWeblogがありました.
松葉博雄の社長研究室「社長メッセージを書く万年筆」(http://mazba.com/7106)
初稿:2012-05-22T16:30:00.001+01:00
最終更新:2014-04-11T10:09:00+09:00